no fringe, warm heart

ヘアカット、パーマ、ヘアダイ、トリートメント、エステ、脱毛、顔そり、ネイル、まつ毛エクステン、マッサージ。女の美容は時間もお金がかかる。全部やっていたら時間もお金ももたないが、かといって何もしなければオバサン道まっしぐら。だから、外せないものと外すものを分けて割り切るところは割り切って節約しないと。

というわけで、初めて近所の1000円ネイルのティー•エヌに行ってみた。

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ティーエヌは単色塗りジェルが3100円。他店の2分の1以下の値段だ。

これが思いのほか、良かった。

安い理由は徹底したローコスト•オペレーション。

雑居ビルの5階、マンションの一室。ニトリ風の机と椅子がある以外、装飾物は一切、なし。お茶も出ないし、カルテもないし、キャンペーンもクーポンもなし。メニューはハンドとフットのジェルだけ。

そして時間厳守。1000円ネイルは20分、2100円ネイルは30分、3100円ネイルは45分と決まっていて、絶対、それを超えないそうだ。

担当のネイリストは化粧っ気のなく、意外なほど清潔で真面目な感じの人だった。初めての客で、マットな色の単色塗りを希望する私に、「お客様にはこの色がいいんじゃないですか?」と提案して奥からジェルを出して来た。彼女が提案した色は思いがけず、コーヒー牛乳のように渋い色だった。モードっぽい。私が同意すると、テキパキと作業に入った。技術は確かで、仕事は丁寧。倍の値段の店に全く遜色なし。

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途中で雷が鳴り、大雨が降って来た。ネイリストの彼女は、窓から見える通りの向こう側のマンションのベランダに洗濯物が出ているのを見て、「あーあ、誰もいないのかな、濡れちゃうのに」と残念そうにつぶやいた。

何気ない一言に人柄は映し出される。

雨が降り出したら、「傘を持ってくるの忘れた」とか、まず自分のことを考えるのが普通だ。だが彼女は、窓から見える見ず知らずのマンションの住人のベランダの洗濯物のことを心配している。なんて優しい人だろう。

「お客さんの時間がずれ込んでイライラすること、ないんですか?」と聞いてみた。

「ええ。たまに。アートの時です。お客さんがどれにするか決められなくて迷われて。そういう時は『時間がないので困ります』とはっきり言うんです。怒って帰ってしまうお客さんもいます」と、彼女は答えた。

無駄のない効率的な仕事、確かな技術、さり気ない提案力、優しい、でもきっぱりした人柄。

私は彼女に心からのお礼を言って3100円を払った。

外はすっかり雨が止んで、美しい青空が広がっていた。

 

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