書評」カテゴリーアーカイブ

【書評】何があっても大丈夫 櫻井よしこ

櫻井よしこさんはもう70代なのに現役バリバリのジャーナリストだ。テレビで見るお姿は、奇跡的に若々しく、頭脳明晰。それでいて清潔で優しげで美しい。ニュースキャスターをされていた頃より透き通った妖精のような美しさを感じさせるほどだ。

 

http://www.jimo2.jp/areanews/index.php?id=2148

個人的にはチベット関係のパーティーで一度、お姿を拝見したことがある。とても華奢な方で、ばっちりブローでヘアスタイルを決めていた。

櫻井よしこさんと、他の凡百の女性を隔てる壁は何か?

その清潔感の源はどこにあるのか?

それが知りたくて、自伝的な迷わない。何があっても大丈夫を読んだ。

彼女の秘密は、小さい時からお母様に言われ続けてきた「何があっても大丈夫」という魔法の言葉だった。夫に捨てられた極貧のシングルマザーの環境に陥っても、妬み、僻み、諦めに偏らず、自己卑下せず、人を恨まず、櫻井よしこさんのお母様の心は奇跡のように清潔なままだった。

人間、「大丈夫」な環境があるから「大丈夫」というのは簡単だ。大抵の人は、「大丈夫」な環境の下でも根拠のない不安と恐怖に押しつぶされて自分の足で一歩を歩みだせない。でも、彼女はほとんど大丈夫じゃない環境で「大丈夫」と呪文を唱え続けて、人生を切り拓いてきた。

結婚して子供を生んでという伝統的生き方を全く否定していなかったのに、結果的に、その人生はまるで修道女のようにストイックなものとなった。彼女のずば抜けた能力と社会的成功には、仕事を追い求めているうちにいくつも家庭を持ってしまうような破天荒でアウトライヤーな父親の血も関わっているに違いない。

ジャンルは違うものの、ひどい幼少時代を送りながら、素晴らしい仕事をし、清潔な人格を開花させた高峰秀子さんや、やはり生まれで苦労しつつも、自分の中の矛盾を統合して素晴らしい能力を社会で発揮したアメリカの前大統領バラク・オバマ氏のことを考えた。

 

 

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【書評】意識のスペクトル ケン・ウィルバー

意識、スピリチュアル、宗教系の本には相性が合う本と合わない本がある。私は感性だけで書かれたポエムお花畑系や人生論、道徳を説いたような本は苦手。かといって、学術的な仏教論理書やガチの古典は歯が立たない。

ケン・ウィルバーの本とはすごぶる相性がいい。。。。この人の書いた本は全部読みたいと思う。ついていきたい、と思う。僭越ながら、理屈っぽさ、間口の広さ、問題意識や方向性、文体、すべてが自分の性分に合っている。

ケン・ウィルバーは、さまざまな賢人や哲学者などの言葉の文脈を説明する水先案内人。いわば、「おまとめキュレーター(と言ってしまうのは失礼かもだが)」なのだが、その整理力、構成力、キュレーションのセンスは尋常ではない。自分で作った構築物の枠組みに端正に賢者の言葉を組み込んでいき、それを通じて自分の主張を積み上げていく。日本では分野は違うが橘玲が似た手法を取っているように思う。

素晴らしいのは、欧米のアカデミックな知的伝統(主に心理学)とインド、中国、日本の東洋的な伝統(仏教、ヴェーダンタ哲学、老荘思想)を消化して、すべてを同じ土俵で語っていること。「アカデミック、西洋哲学、科学」と「オルタナティブ、宗教、スピリチュアル」という二つの違うジャンルだと思われて分断されていたものを(「あれ」と「これ」に分けずに)見事に一つの流れに統合するのだ。

クリシュナムルティ、ユング、グルジェフ、老子だけでなく、プラトン、スピノザ、アウグスティヌス、ヴィトゲンシュタイン。そして、まだ私の読んだことのない、多くの東西の賢者たちの言葉。そこには西洋も東洋も、偽りの対立もなく、まるで見事に調律された重層的なパイプオルガンの音色のようだ。多くのことについて、違う人が同じことを違う言葉で言っていただけなんだ、○○はそういう意味だったんだ。。。。と思う。

本書で徹底して語られるのは、人間の意識が偽りの(幾重もの)二元論に陥っている有様、そしてそれが統合されることの意味である。言葉で語るのがかくも難しいことを、かくも言葉を尽くして、親切に、丁寧に。。。。

もちろん、読むだけで自分の中の二元論が解決したり、苦しみがなくなったりするわけではない。でも、少なくとも心の「メカニズム」の解説として私にとってこれ以上の良書は今のところない。

これで、「万物の歴史」、「グレイス・アンド・グリット」に次ぐ3冊目のケン・ウィルバー。来年は彼の最大の著書Sex, Ecology, Spirituality: The Spirit of Evolutionを読破したい!

 

 

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【書評】グレース・アンド・グリット ケン・ウィルバー

ケン・ウィルバーの「万物の歴史」を読んだ後、こんな書き物を書く人は一体、どんな人物なんだろう?奥さんはどんな人だったんだろう? との一種のミーハー心で手に取った本。

グレース&グリット―愛と魂の軌跡〈上〉グレース&グリット―愛と魂の軌跡〈下〉

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【書評】田舎暮らしができる人できない人 玉村豊男

田舎暮らし、ロハス、スローライフといえば玉村豊男さん、というくらいの有名人の田舎本。

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書評:陰影礼讃

高校生のときに学校で読んだときに、暗闇の中に浮かび上がる羊羹や漆器の色の表現に陶然となった。30年ほどを経て、古い日本家屋の壁にからかみを貼る機会があり、表具屋さんが蓑張りした壁を前に、ふと、もう一度、本書を読み返した。

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「日本の美」が生理的に表現されていて、読んでいるだけで、日本建築の木や樟脳やカビの混ざった匂いやシンプルで静謐な空間を追体験できる。だからこそ古典的名著なのだろう。

紙、羊羹、漆器のほかに、谷崎は日本の厠の素晴らしさを称賛する。読むと体験したいと思うのだが、実際には、どんな田舎や寺社に行っても、本書に登場する木製の清潔な便器にはもう出会えない。料亭の行灯の美しさも、その下で照らされる芸者の顔の美しさも、もう失われてしまったものだ。実際、すでに谷崎がこれを書いた時代(昭和8年)からすでに、伝統的な日本家屋や純日本風の設えは滅びつつあり、谷崎自身の自宅にも実際には赤々とした近代的な電灯が灯っていたという。

ありふれたモノの美しさには誰も気づかず、美しいとされるのは、失われていくものばかり。谷崎なら「醜悪」と退けたに違いない、黒電話や石油ストーブ、ちゃぶ台といった昭和の風物もまた、平成の世では「昭和レトロ」として見直されるようになっている。

あと100年もすれば、LED電球の灯りやホットカーペットなどに滅びゆく美を見いだして、それを書く作家が現れるのだろうか。

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書評:阿修羅の呼吸と身体

朝、起きると30分の軽い体操と短い瞑想をするようになって1年。始めてみると実に手軽で快適なこの習慣。もう一生手放さないだろう。これだけで、風邪は引かないし、心は落ち着くし、お腹ぽっこりは治る。

昨秋にロルフィング10回のコースを体験して、自分の身体の歪みを自覚してからは、とくに背中と腰椎を伸ばし、股関節の可動域を上げることに重点を置くようにしている。あぐらもろくにかけなかった私が、この1年で短時間なら半跏趺坐を組めるようになった。できれば座蒲なしに結跏趺坐が組める身体を手に入れたい。というわけで、東京の五反田で座法を教えておられる勇崎賀雄さんのこの本を読んでみた。 続きを読む

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書評: 旅の指さし会話帳 (65) チベット ここ以外のどこかへ!-アジア

ちょっと忙しくて、ブログ更新の暇がなく、コクリコのAmazon書評からの転送で失礼。チベット語学習2年目。ようやく、チベット文字が判別可能に。いよいよ来年はダラムサラ訪問するぞ!

旅の指さし会話帳 (65) チベット ここ以外のどこかへ!-アジア

チベット語の勉強をしています。チベット語はメジャーな言語と違い、初心者向けの分かり易い教科書がとても少なく、また文字が特殊なので基本単語の読み方のところで挫折気味でした。

こ の本は旅行用ではありますが、基本単語と基本的な言い回しについて、チベット文字でのスペルとおおよその日本語の読み方が書いてあるので、初心者のチベッ ト語の学習に最適です。ベーシックな文法さえ習っていれば、この本一冊で随分、いろいろなことが言えるようになります。また、巻末の索引は辞書としても使 えます。

著者は日本のチベット語研究の第一人者で、チベットの文化的背景にも通じており、内容に信頼が置けます。

 

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【書評】「密息」で身体が変わる

身体や姿勢、フィットネス関係の本を沢山読むと、たまに複数の本でモロに対立する主張に出会って戸惑うことがある。

ハイヒールが姿勢にいいとか、悪いとか。

ハイヒールはくだけダイエット (講談社の実用BOOK)←こんな本もある。。。。

骨盤前傾がいいとか、後傾がいいとか。 続きを読む

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