フランス」カテゴリーアーカイブ

仏人家族、いすみにやってくる

からかみを貼ったばかりのいすみの我が家に、8月初旬に一週間、フランス人家族が滞在した。

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やってきたのは私のフランスの学校時代の女友達、その夫と子供(娘13歳、息子9歳)の4人。彼らにとって初めてのアジア、初めての日本。それも25日間とすごくビッグな夏休みだ! 続きを読む

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セゴレーヌ•ロワイヤル

とても久しぶりにフランス語の動画を見た。

動画のタイトルは、Segolene Royal, femme qui n’etait pas un homme (男ではなかった女、セゴレーヌ•ロワイヤル)。フランスの代表的女性政治家、セゴレーヌ•ロワイヤルのこれまでの歩みをまとめたドキュメンタリーだ。

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セゴレーヌ•ロワイヤルは30代で社会党ベレゴボワ政権で環境相に抜擢されて一躍、国民的に有名になった政治家。フランスのフランソワ•オランド現大統領の元パートナー(非婚)、1953 年生まれの61歳。2人のあいだには成人した4人の子供がいる。現役の政治家で、エコロジー担当大臣でもある。なにより、2007年の大統領選では、社会党の大統領候補としてニコラ•サルコジ前大統領と一騎打ちした女性だ。

動画は、このセゴレーヌの田舎の子だくさん家庭の子供時代から両親との確執、パリへの上京とエリート学校国立行政学院への入学、そこでのオランド氏との運命的な出会い、フランソワ•ミッテランの側近としての政治家としてのキャリアのスタートから、実績を積み上げ、男社会の中で徐々に頂点に向けて上昇していく過程、そして、キャリア上昇によって起きたオランド氏との家庭生活の破綻、挫折と失意の日々から、再びオランド政権の重要な一員として第一線に返り咲くまでをまとめたもの。「男ではなかった女」ってどういう意味? 思わず1時間半、ぶっとおしで見てしまった。

セゴレーヌが環境相に抜擢されたとき、私はセゴレーヌが卒業したパリ政治学院という学校の学生をしていた。スレンダーな容姿とルネッサンスのイタリア絵画から抜け出たような美しい顔、ワンレングスのクラシックなヘアスタイル。絵に描いたようなエリート•キャリアと、愛するパートナーと4人の子供の家庭の両方を持つ、セゴレーヌ•ロワイヤルという典雅な名前の彼女は、90年代はじめの私の憧れのアイコンだった。

これが1990年代初めの30代の若き大臣時代のセゴレーヌ。

これが1990年代初めの30代の若き大臣時代のセゴレーヌ。薄化粧のナチュラル美人。ちょっと「クレイマー•クレイマー」時代のメリル•ストリープにも似ている。

私は今回、動画を見て、この絵に書いたような完璧な女性セゴレーヌの、結構、辛かった子供時代やスノッブなパリの学生の雰囲気に馴染めなかった学校時代を知った。そして、若い頃の彼女はとても内気で目立つことが嫌いな性格だったことも。人前で演説をするようになったのは代議士として立候補した33歳のときが初めてだったというから、結構遅咲き。

政治家になる前のセゴレーヌは、ど近眼で地味で野暮ったいガリ勉タイプ。これって、アメリカのヒラリー•クリントンやミッシェル•オバマとちょっと似ている。

政治家になる前のセゴレーヌは、ど近眼で地味で野暮ったいガリ勉タイプだった。20代の外見はイマイチだったアメリカのヒラリー•クリントンやミッシェル•オバマともちょっと似ている。

でもセゴレーヌの本当の躍進は、私が帰国して、フランスの最新事情を追いかけなくなってから始まったことを、この動画を見て初めて知った。彼女は、30代より40代、40代より50代と、21世紀に入ってどんどん、カドが取れて、美しく、シンプルに、感じの良い女性になり、国民の人気を得てフランスを代表する政治家になっていったのだ。

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ファッションもヘアスタイルもどんどん洗練されていった

モダン&エレガント。顔は自信に溢れ、ファッションもヘアスタイルもどんどん洗練されていった

徐々にその美しさは、控えめで聡明な優等生的のものから、より大胆で自己肯定的で力強いものへと変わっていった。

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そして、とうとう、大統領選に出馬したのは2007年、54歳のとき。

当時の彼女の社会党内のライバル候補はドミニック•ストロース•カーンやローラン•ファビウスといった錚々たる党の重鎮だった。そして、自らのプライベートのパートナーであり、4人の子供の父親であるフランソワ•オランドも。。。。彼女は、旧態依然とした陰惨な権力闘争に明け暮れる男たちによる政治にうんざりしていた国民の支持を徐々に取り付けていく。

だが、彼女が国民の人気者になればなるほど、党の男たちはその成功を妬み、彼女の足を引っぱるようになる。「あの女が大統領になるくらいなら、社会党が敗北した方がマシだ」と。そして、とうとう、パートナーもオランド氏もある日、自分より人気者になった彼女の元を去って行く。

結局、彼女は僅差で大統領選に敗北し、「もし社会党が党を挙げて私を応援してくれていたら、勝っていたわ」とつぶやいた。選挙が終わって程なく、セゴレーヌはオランド氏との別居、長年のパートナー関係の解消を正式に発表する。

その後、セゴレーヌは党で冷や飯を食わされ、政治生命も尽きるかと思われた。2012年には元夫のオランド氏が満を持して大統領選に出馬、見事、フランスの大統領となる。セゴレーヌは恩讐を超えて元夫を応援し、今、再び閣僚として、政権の中枢で活躍し、不人気な元夫の政権を支える存在でもある。

セゴレーヌとオランド氏は、美女と野獣そのもの。でも、こんな女性に愛されたのだもの、オランド大統領は本当はとても魅力的な男なのだろう

セゴレーヌとオランド氏は、美女と野獣。でも、こんな女性に愛され、しかも振ったのだもの。オランド大統領は本当はとても魅力的な男にちがいない。それにしても60歳過ぎてこんなに綺麗って。。。

セゴレーヌのすごいところは、この動画のタイトルにもあるように、男性化しないで、美しい女性のままで権力の中枢に生きていることだ。その美しさは、肝っ玉母さん的なものでもなく、過剰にセクシャルなものでもない。あくまでエレガントで上品でナチュラルで、それでいて、力強くて誠実で、信頼感を喚起し、知的であるとともに、温かくも母性的でもある。外見の美しさが内面の美しさに裏打ちされている。「女性ってこんな風に年を重ねて行けるのね。。。」と感心する。

こういう女性を生み、育てられるのがフランスという国の底力かもしれない。まあ、フランスでも希有な存在だからこそ、今でも人気者なわけだが、セゴレーヌ的な成熟した美しさを持つ中高年女性はフランスに結構いる。

ロールモデルというのはあまりに僭越だが、憧れて爪の垢でも煎じて飲みたいと思っている分には罪にはなるまい。こんな風に、異国の地の昔の憧れ女性の今を遠い日本からもウェブでフォローできるなったなんて、本当に良い時代になった。

 

 

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イネス•ド•ラ•フレサンジュとフランスの競争力

私が20代に大変お世話になったフランスという国は、18世紀の絶対王政時代からナポレオンの時代、1870年代に始まる資本主義全盛のベルエポックから第一次世界大戦までに頂点を極めた国といえる。その後、ゆっくりゆっくり凋落しながら今日に至るわけだが、20世紀には映画(ドリュフォーやゴダール)、ファッション(シャネルやディオール)、ハイテク(新幹線、コンピューター、航空機、原子力)などで生彩を放ち、大国の風情があたった。だが21世紀になるとフランス発の世界的新製品や大ヒットは絶えて聞かない。フランス映画も全然面白くない。世界のアメリカ化が一層進みつつあるように見えるのは寂しい限り。 続きを読む

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