本には2種類ある。「読後に『人生』『生活』『考え方』『仕事』に変化が生じるもの」、と「変化が生じない本」の2種類。
たしか陽明学の先生だったろうか?「読んだ後に何か人生が変わる本しか読む価値がない」と聞いて、なるほどと思ったことがある。
でも読書前と後に変化が生じる本なんて実際には滅多にない。たとえば、この本はとても面白かったが…
本には2種類ある。「読後に『人生』『生活』『考え方』『仕事』に変化が生じるもの」、と「変化が生じない本」の2種類。
たしか陽明学の先生だったろうか?「読んだ後に何か人生が変わる本しか読む価値がない」と聞いて、なるほどと思ったことがある。
でも読書前と後に変化が生じる本なんて実際には滅多にない。たとえば、この本はとても面白かったが…
知人の紹介で元ミキモトの宝飾エクスパートでおられる増渕邦治先生の「ジュエリーの歴史の学び方」に参加した。
歴史の流れを俯瞰する、美術様式を把握する、ジュエリーの技法を理解するの3本立ての2時間。
還流ダイヤ(=買取され、再加工され、再び流通するダイヤモンド)の話。カルロ•ジュリアーノやファベルジェ、カステリーニといった19世紀ヨーロッパの名工の話、ピクウェ、パート•ド•ヴェールといった昔の技法の話。
Carlo Julianoによるブローチ。1890年代英国。めっちゃ綺麗!
http://www.berganza.com/jewellery_ref_11283.htm?search_category_id[]=6&page_num=0&page_size=72
ファベルジェのイースターエッグ。欧州ブルジョア文化の粋!
http://www.mirror.co.uk/news/technology-science/technology/peter-carl-faberges-creations-pictures-853596
チベットのジュエリーやアメリカン•インディアンのプリミティブなビーズ細工に惹かれている私には、古き良きヨーロッパの貴族やブルジョワの端正で高価な博物館級の名品や超絶技法は縁遠い存在なのだが、それでも、知らないよりは知っている方がずっといい。
そして、なんといっても「お勉強」は楽しい。
懐かしいな、ヨーロッパ。昔、フランスで”Histoire de style”という本を元に家具調度の様式を勉強したことが懐かしく思い出される。
華麗なジュエリー文化は、洗練された料理同様、巨大な富が集積する中央集権国家の宮廷など「金持ち有閑階級」が多くいる場所で花開く。チベット、中国、ペルシャ、オスマン•トルコ、インドのムガール帝国、絶対王政下のフランスや産業革命後のイギリス。。。ユーラシア大陸の多くの地域も永々と続くジュエリー文化がある。
対して、我が国日本のジュエリー文化は極めて浅い。
日本には根付や帯留めなど世界に誇る工芸文化があるものの、イヤリングやネックレスを付ける習慣は 長いこと存在しなかった。
私は亡くなった大正生まれの祖母の遺品の着物をいくつかもらったが、ジュエリーはなかった。祖母は殆ど何も身に付けていなかったから。一握りの上級階級の女性を除き、わずか3代前の日本人女性にはジュエリーやアクセサリーを付けるという習慣がなかったわけである。
もともとジュエリーやアクセサリーは、多くの地域で装飾や魔除けといった目的の他、移動の際に資産を持ち運ぶ手段として発展したという。
だから、遊牧民族のチベット人やモンゴル人は男も女もジャラジャラ。ラスト•エンペラーに登場する紫禁城の満州族の皇族や宦官たちも皆、コーラルやターコイズのネックレスをジャラジャラ。
でも土地に縛り付けられて動かない生活が長かった農耕民族の日本人にはアクセサリーをジャラジャラつけて持ち運ぶ必要はなかった。
今でも日本人女性が好むのは細い華奢は18Kのチェーンに小さなペンダントヘッドが付いたネックレスや極小のピアス。「ジャラジャラ系」はキワモノで、なかなかメインストリームにはならないし、ミュージシャンやアーチストでもなければブレスレットを付けた男性も少ない。
そんなことも、すべて歴史のせい…。
そんな認識を新たにした講義でした。
増渕先生、ありがとうございました。
さまざまな色、形、大きさのビーズや天然石を前にして、「どれとどれとどれを組み合わせようかな」と考えるのは至福の時間だ。思わぬ色やと色が思わぬ雰囲気を醸し出す。保護色でも反対色でも色同士には相性がある。グリーン、パープル、レッド、ブラウン…全ての色には複雑なニュアンスがあって、同じレッドでもオレンジがかったレッドと深い赤では合う色が違ってくる。
ニュアンスと組み合わせで同じレッドが和風になったり、フランス風になったり、チベット風になったりする。
40歳を過ぎたら着物で生活を、と思っていたのは、35歳くらいの時のこと。着物の方が洋服より体型の崩れを隠すし、シワや白髪などの老いのアラも隠すからだ。でも、それから10年以上が過ぎて、もうすぐ50歳の坂が見えてきた今も、日常の着物生活は実現しておらず、なんとかお正月に年1度着るのが精一杯の現状だ。着方をかろうじて覚えているから、他人に頼まずに一人で着られるからましとはいえ、着るのは晴れ着ばかり。昔、自分で買った普段着の会津木綿の合わせも、紬の単衣も、いまや完全に箪笥の肥やしだ。 続きを読む
温暖化の影響もあるのだろうか。
東京の冬は穏やかな陽光が注ぎ、青空が広がる。冬の隅田川沿いのジョギングは文句なく気持ちがいい。強烈な蒸し暑さとエアコンの人工的な空気の間を行ったり来たりする夏、花粉が飛びまくる春、そして、最近では寒暖の変動が激しい上、ブタクサ花粉が飛ぶようになって調子が今一つな秋。私にとって冬は文句なくベストシーズンだ。外国人の知人にも、「日本に来るなら冬がいいよ」と言う。
駐日米国大使として正式に赴任したキャロライン・ケネディさん。
趣味の良さは遺伝する。20世紀のファッション・アイコン、ジャックリーヌ・ケネディさんの愛娘だから、ファッション・センス抜群なのは当然。 続きを読む
チクチク手編みは、多分、高校生の時以来。
下田直子さんの本の素敵なデザインを見ているうちに矢もたても堪らず、アブリルの毛糸を通販で購入して、チクチクを開始した。案の定、楽しくて時間が過ぎるのを忘れる。
実は私はオフィスの仕事でも孤独で単調な手作業が好きなのだ(→ブログでも書いてます)。 続きを読む