金の時代に突入

モノの値段がジリジリ上がっている。

日用品の値上げを経験するのは久しぶり。

消費税5パーセントの時代、どんな店でも「グロス=税込み」の価格表示が大半だったが、消費税が8パーセントに上がって商品の価格表示は圧倒的に「ネット=税抜き」になった。

グロスとネットの数字のマジックのおかげで見た目にはモノの値段はそれほど上がっていないように見える。

だが創業以来ネットで1000円だったQBハウスの散髪料は4月からグロス1000円になった。これをネット同士で比べると(旧)1000円→(新)1080円で8パーセントの値上げ。消費税は3パーセント上がっただけだから、残りの5パーセントはいわゆる便乗値上げだ。

3月まで近所のスーパーでネット160〜180円だった牛乳は、増税後はネット200円以下では買えなくなった。12個入り卵もネット200円程度がネット230円程度になった。

そして200グラム800円だったコーヒー豆はいつしか1000円になった。

これまでずっと我慢してきた業者が皆、「それ行け!チャンスは今だけ!」と猛ダッシュしている感じだ。デフレ馴れした消費者は、これまで見たこともなかったようなアグレッシブな価格設定を前に途方に呉れている。

まあ日本人のミドルクラスは、日用品の値段が数パーセント上がっても、すぐに生活苦に結びつくわけではない。1ヶ月の牛乳やら卵の購入にかかる費用は、出来合いの総菜を買うのを控えたり、美容院に行ったり外食したりするのを一回スキップしたり、行楽のグレードを少し下げるだけで簡単に捻出できる金額だ。

とはいえ、収入が上がらないのに日常品の価格が上がるのは気持ちを不安にする。

インフレとは、お金の価値が時間とともに下がることだ。インフレが進む社会で生活することとは、常に時間の流れに追い立てられて生きるということだ。

デフレの時代は「今買わなければもっと安くなるかもしれない」と買い控えしていた。今やそれが正反対で、「今買わないと、もっと高くなるかもしれない。とりあえず買っておこう」というムード。それによって消費を活発化させ、世の中のムードを明るくすることで、政府への信任を失わないまま増税や年金、健康保険関連のコスト増を実行しようとするのが政府の目論みだ。

すでに来年3月に消費税はもう一段階上がって10パーセントになることがほぼが決まっている。店の表示がどこも「グロス=税抜き価格」なのは、「さらなる値上げ」が見越されているためだ。5パーセントから8パーセントになったからといって買い控えしているのはすでに時代遅れ。採るべき行動は将来のさらなる値上げに備えて買い溜めすることなのだ。

恐らく消費増税は10パーセントでは終わらない。あと10年のうちに、15パーセントか20パーセントくらいまで徐々に上がっていくだろう。
好むと好まざるにかかわらず、時代の雰囲気は変わり、私たちは喧噪の「金の時代」に突入してしまったのだ。この流れは東京オリンピックぐらいまで続くだろう。

それが良い時代なのか、悪い時代なのかは良くわからない。それは個人が置かれた状況と、変化に対する心構えによって変わってくる。

少なくとも確実なのは、焦ったり、嘆いたり、批判したり、不安になったりすることには何の意味もないということだ。

とりあえず毎日淹れるコーヒー豆のグレードを落としてみる。

相場の動きに敏感になって、長期的なインフレ•ヘッジ方法を模索する。

海外との関係を断たないで、海外で起きていることに関心を持ち続ける。

あとは何もしない。普通に丁寧に日常生活を送る。

今の私に出来ることといえば、そんなことくらい。

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