戦わなくてもいい庭

「古民家を買い、週末通って改装に励む」——というと聞こえがいい。実際、4月にいすみとの往復が始まったときはそのつもりだった。でも、現実には家の改修はド素人の手には負えない作業だということが身に沁みて分ってきた。

いちおう、障子の張り替え、壁の補修まではできた。

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でも、私はカンナもノミも使えない。電気ドリルも使ったことがないし、モルタルの扱いも知らない。

建具の修理のような繊細さを求められる作業もまったくお手上げだ。

電気工事も水道工事もまた、プロの領域だった。私たちがやったら何日もかかっただろう工事をプロはいとも簡単に半日でやってしまった。

これから先、必要となるコンクリート打設や床の貼り直しといった作業も、やはり自分たちでやるのは難しいだろう。そもそも木を正確な寸法に切れないし、コンクリートの型枠など、どうやって作るかも分らない。重いモノを運ぶ道具もない。ホームセンターで高い材料と工具を買い揃え、ウェブを見て手順を学びながら、膨大な時間と労力をかけて慣れれない仕事をしても、果たしてそれに見合う結果が出せるかどうか。

基礎の部分であればあるほど、そして扱う対象物が重いものであるほど、DIYは難しくなる。そして、改修の優先順位が高いのはなんといっても基礎構造部分だ。

というわけで、家の改修に関しては当面、工務店からの見積書待つばかりとなり、その間、私の関心の対象は徐々に屋内から屋外へ、部屋から庭へと移行しつつある。

というのも、この家、敷地がやたら広く660坪もある。

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棟門や灯籠、社まである純日本風の庭で、梅、柿、ビワ、イチジクなどの果樹が沢山生えている。苔庭、飛び石、玉砂利のスペースもあって変化に富んでいる。大家族が住み、庭師がいた往年はさぞ典雅な庭だったろうと想像する。上の写真のように、ニワトリが雑草を食べていたと思われる。

でも。。。。

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。。。。私たちが最初に見に行った1年前の庭の様子。

今年4月、かなり丁寧に草が刈り込まれた状態で引き渡されたものの、降雨、気温の上昇とともに、あっという間に雑草が茂った状態に逆戻りした。

もちろん、この半年、放置していたわけではない。私たちはクリやキンモクセイやブルーベリーの苗を植え、茂り過ぎた灌木を切り、小さなスペースを区切って耕してシソ、コリアンダー、キュウリ、ナスなどを植えた。ガソリン動力の刈り払い機も入手して、草刈りのノウハウも習得し、落ち葉を燃やした。

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とはいえ、この半年、雑草が生い茂るスピードはすごかった。ドクダミ、メヒシバ、スギナ、エノコログサ、ヨシ、タンポポ、。。。。。

雑草抜きというのはハマる作業ではある。暑い陽の下でも地面を這い回って集中して雑草取りしていると時間を忘れる。人に命令されてやる雑草取りは退屈だが、自分の庭を綺麗にするための雑草取りなら喜んでできる。とはいえ問題は、あまりにも庭が大き過ぎること。一人でこの庭の雑草抜きをしていたら、私の生涯の全可処分時間をそこに振り向けてもまだ足りないほどだ。

丸二日かけて、入り口の敷石の周りの雑草を抜いたが、2週間後に訪れたときには元の木阿弥で唖然。

丸二日かけて、入り口の敷石の周りの雑草を抜いた。が、2週間後に訪れたときには元の木阿弥で唖然。雑草を抜いた後は、何か他の植物で代替する必要がある。

庭の手入れに人の手を借りる余裕はないが、残りの一生を庭の雑草抜きに捧げるつもりもない。かといって、ご近所の手前、あまりに見苦しい状態を放置するのも心苦しい(まあ、こういっている今も実質的に放置状態なのだが)。

目指すべきは、庭全体を雑草が生えにくい植生に徐々に変えて、「戦わなくてもいい庭」を作ること。

というわけで目下、戦わなくてもいい庭のための情報を本やネットで情報を蒐集しているが、残念なことに、ガーデニング関係の本は「憧れのイングリッシュガーデンを作ろう❤️」というようなファンシーな傾向のものが多い。しかもベランダやプランター園芸のような小さいスペースを想定している。大きい庭に関する情報は、どうしても造園のプロ向けの専門書の領域に入っていきがちだ。そこまで深入りするのか、ちょっと二の足を踏んでいる。

紫外線を浴び、虫に刺され、爪が真っ黒になるガーデニング。

それは決して私が得意なことでも、大好きなことでもなかった。

何より庭作りは、家の改装以上にすぐには答えの出ない超長期のプロセスだ。森作りは100年後に結果が出るというが、庭作りも常に10年後くらいは先を見越した作業となる。

あるいは数年前から私は無意識のうちにガーデニングをやる方向に導かれていたのかもしれない。奇しくも本ブログの最初の投稿記事は「ターシャ・チューダーに憧れて」だったのだから。

ガーデニングはエキサイティングでもセクシーではないが、少なくとも副作用のない趣味ではある。ひたすら雑草を刈り、そのあとで這いつくばって土の中の根っこを除去する作業は(地中の虫を大量虐殺するという罪を犯すとはいえ)精神修養に役立つ上、あまりお金もかからない。ネットザッピングしているよりはずっとエクササイズ効果もある。

そして、夫婦喧嘩になりにくいカップル共通の話題として格好のものではある。

10月になりようやくヤブ蚊も少なくなってきた。幸い、房総の晩秋は穏やかだ。秋から冬にかけてガーデニングの勉強をしながら、雑草抜きに励もう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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戦わなくてもいい庭」への2件のフィードバック

  1. 蓮見幸輝

    660坪=2反もの広大な屋敷で、雑草との闘い、ごくろうさまです。
    これから来春までの5か月は停戦ですね。

    返信
    1. 下山明子 投稿作成者

      ありがとうございます。寒くもなく、暑くもなく、蚊もほぼいなくなり、今が一番良いシーズンです。

      返信

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