【書評】「私は戦友になれたかしら」小野田町枝

小野田さんマイブームが続くなか、掲題の本読了。

私は戦友になれたかしら―小野田寛郎とブラジルに命をかけた30年

題名と表紙がかなりベタだが、中身はさわやかな良書。カラー写真が沢山入っていて、小野田さんの「その後」や、ブラジルの牧場開拓という仕事の実際、陸軍中野学校の戦友やその妻たちの話、ルバング島再訪など興味深し。ブラジルに移住後も、沢山の人が牧場に押し掛けてきて、「戦争が終わったことに気づかなかったのですか」「ジャングルはどうでしたか」と同じ質問をし続けて小野田さんの仕事を邪魔し、町枝さんはうんざりしてイライラし続けたそうだ。その一方で、町枝さんは、小野田さんを支援し助けた多くの人に感謝することも忘れない。

不妊治療のくだりや全体の筆致から、この人は中年になってから出会ったこの希有の体験を持つ有名人の夫を心底、愛していたんだなあと感じられる。小柄で痩せぎすな小野田さんに対し、ふくよかで大柄な町枝さん。正直で真面目な小野田さんを町枝さんは母性愛で包み込んでいる。人間の凸凹としての相性もぴったりだったのだろう。夫婦っていいな。

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