ハイヒールのパンプス–My lost love for high heels

大学生のときから20年あまり、週に5日10時間、私の定番は7センチパンプスだった。通勤もオフィス内もハイヒール。お洒落なフラットシューズは一足も持っていなかったから、週末の外出もハイヒール。朝から晩まで履き倒して、何キロもガンガン歩くなので、どんどん消耗した。幅の広い、ヒールの大きな、シンプルでデザインの綺麗なパンプスを数足買って履き回していた。

ハイヒールを愛した理由は簡単で、ハイヒールで腰の位置を高くしないとファッション•スタイルが決まらないからだ。顔が大きめ、日本人体型の私はジャケット、タイトスカート、ストッキングの時にはハイヒールを履かないと絶対的にバランスが取れないことをフランスで学んだ。産休明けに職場復帰するときには、「ガンバって稼ぐぞ〜」と、戦闘服と共に、高くて手の出なかったマノロ•ブラニクのパンプスをE-bayで買ったりした。

これは10センチヒール?さすがにここまでのヒールは履いこなせなかったけど

これは10センチヒール?さすがにここまでのヒールは履いこなせなかったけど

転機は40代前半にシンガポールに住んたときに訪れた。

熱帯の気候にはおよそ皮製品が合わない。パンプスは足が蒸れる。それで周りのシンガポール人と同じように毎日フラットなビーサンを履いていたら、素足で大地を掴む歩き心地の快適さから離れられなくなった。ビーサンにはタイトスカートは似合わない。ダナ•キャラン風の都会的なスーツやタイトスカートのワードローブは徐々に埃をかぶるようになり、カジュアルなチノパンツやロングスカート、インドのパンジャビスーツなんかが好きになった。

今、長い間パンプスを履いて来た後遺症がある。足首を固定して緊張させていたせいで、関節や筋肉の柔軟性が失われてしまったのだ。ヨーガの先生に「下山さん、足首硬いね」と指摘されて気づいた。別に足首なんて硬くても日常生活には困らないと思っていた。だが、実際には、足首が十分に屈折しないことで、姿勢が反り気味になり、腿に体重がかかって太くなっていることに気づいた。お腹を突き出す体勢のせいで腹筋が衰え、カロリー過多や運動不足が相俟ってお腹ぽっこり体型になってしまった。

整骨院TAIBI 太宰府のサイトより。このサイトはとても親切に身体のことが説明されている!

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身体を格好良く見せるはずのハイヒールのせいで、身体そのものの美しさが損なわれてしまったわけだ。そう、もともとハイヒールは特別な機会に短時間だけ履くべきものだったのだ。今は足首の屈伸運動や腿の筋肉を伸ばす運動、ジョギングやストレッチでフラットな自然な身体を取り戻そうとしている。

身につけるファッション、人生観、価値観は面白いほどシンクロする。

ハイヒールを日常に履かなくなった私は経済や金融に関心がなくなり、お金への欲も減り、タバコも吸わなくなった。今はヨーガや東洋哲学やアクセサリー作りにハマっている。ヨーロッパに行かなくなり、アジアやアメリカに旅行するようになった。

50代や60代になってもハイヒールが似合う女性は素敵だとは思う。でも尖ったハイヒールを日常に履く生活はもう終わり。普段は身体を締め付けない服にフラットなバレエシューズやビーサン。そしてイザというときには8センチヒールに身体にフィットしたドレス。何歳になっても。そういう人に私はなりたい。

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