ちょっぴりデコラティブ

握り寿司にはワサビが必要。でもワサビをほおばれば地獄。エアコンの効いた部屋は快適。でも効きすぎると不快。節約主婦は良妻だが、ケチすぎる女は悪妻になる。

行き過ぎると快は不快に変わるから、何事もほどほど中庸が良い。

とはいえ「ほどほど中庸」のレベル感は時代や場所で変わり、「絶対的なほどほど感」は存在しない。ファッションやインテリアも、「ほどほど、絶妙」なのものを私たちは素敵と感じる。あまりにも簡素で単調だと物足りない、みすぼらしい。逆にゴチャゴチャしすぎると、暑苦しい、あか抜けない。

絶妙なファッションといえばキャサリン妃

絶妙なファッションといえばキャサリン妃

要するに「今、絶妙な感じ」を掴める人がセンスの良い人である。

数百年の超長期で見ると、ファッションやインテリアの「ほどほど中庸感」は確実にデコラティブからシンプルに向かっているようだ。

たとえば20世紀初頭のアールデコのデザインは、19世紀までのデザインと比べると驚くほどすっきりしている。そこにはスピードや経済合理性、機能性を尊び、装飾過多を重く醜く感じるようになった時代精神がある。ファッションのカジュアル化、スポーツウェア化はすでにこのときに始まっている。

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そしてアップル製品に代表される21世紀の「シンプル」。そこには情報過多社会、過剰消費社会における人間性、精神性回復の意味合いがあり、シンプルはロハス、エシカルといったキーワードとつながっている。ことシンプルを愛することでは我々日本は世界でも群を抜いている。「シンプルな家」「シンプルな服」「シンプルな暮らし」。私たちは皆、シンプルが大好き。無印良品やユニクロの服の特徴はシンプルなことだ。日本のOLは皆、無地のシンプルな服に華奢なゴールドの ネックレスを付ける。ちなみにファッション誌のお決まりのキーワードは「シンプルな抜け感」だ。日本のインテリア雑誌に登場する「美しい家」はどれもモノや装飾品が全くない、欧米基準からしたらあまりにガランとした部屋が日本の美しい部屋である。これはあっさりしたシンプルさを重んじる日本人の伝統的DNAのせいかもしれない。あるいは電線だらけの街路、建材や様式がゴチャゴチャな家並み、ケバケバしい広告や役所の不体裁なポスターに囲まれたストレスフルな景観の中で生活するなかで、「家の外がゴチャゴチャだから、せめて中くらいスッキリしたい」という無意識のバランス感覚なのかもしれない。

良くも悪くもこれが東京の街並み

殺風景なのにゴチャゴチャ。シンプルでもデコラティブでもない。良くも悪くもこれが東京….

個人的にはシンプル過ぎるファッションやモダン•リビングは苦手だ。少しだけデコラティブで遊び心があるものが好き。刺繍の施されたブラウスやスカート。スパンコールのきらめき。古いビーズの質感。天井やドアの彫刻。バッグに付けるタッセル、帽子。根付けや帯留め。デコラティブなもの、曲線的なもの、手で作られたものは生活に潤いを与えてくれる。

PEMABEADS

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すこし景気が良くなってきた。世の中の金回りが良くなってアンティークや骨董の業界も少し息を吹き返している。「カジュアル」「スティーブ•ジョブズ風のミニマリズム」の次に流行るのは「前近代風少しだけデコラティブ」なアイテムかも!

 

 

 

 

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