お腹ぽっこり(2)意識できない大腰筋

一念発起して身体のケアを始めたのは、6ヶ月ほど前に自分のお腹ぽっこり(+下半身太り)を自覚してからだった。お腹ぽっこりの原因は、カロリー過多と姿勢の悪さ(長年のデスクワーク)だ。

太っている人は概して「お腹ぽっこり」だが、稀に太っていてもお腹はすっきりしている人がいる。逆に、全身はスマートなのに「お腹だけぽっこり」の人は意外なほど多い。こうした人は日常生活で大腰筋を使えていない人である。

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おしなべて、お腹ぽっこりの原因は大腰筋の弱りだ。大腰筋さえ使えれば、お腹ぽっこりは改善する。

という「理屈」は理解したのだが、私の最大の問題は、「具体的に、実際に、どうやったら大腰筋を使えるのか分からない」ということだった。つまり、自分の大腰筋を意識出来ないということだ。

大腰筋はお腹の奥深いところにあるから、ふくらはぎや腿の筋肉のように手で掴んで「これが○○筋」というように認識出来ない。一方、掴むことが出来ない筋肉でも、例えば背中の僧帽筋のような筋肉は、腕や肩を動かすことで「あ、ここに筋肉がある」と意識出来る。だが、少なくとも私の場合、大腰筋は「大腰筋トレーニング」と銘打たれたどのような運動によっても、伸びたり、縮んだりする感覚が得られなかった。腹筋運動をして意識できるのは、表面にある腹直筋だけだし、背筋運動をして意識できるのは、やはり背中方向の表面にある広背筋だけなのだ。意識できない大腰筋は心臓や胃の筋肉と同じような「不随意筋」であり、対処することの出来ない難問だった。

「身体の全体性」についておぼろげながら理解していた私は「大腰筋という大問題」をとりあえず横に起き、改善できるところから改善しようと考えた。

具体的には足回りだ。

中年になってからの問題である「ぽっこりお腹」より前に、私が子供時代から抱えていた悩み。それは股関節や足首の硬さ、そして坐禅や割座が出来ないほどパンパンに張り、普通のサイズのジーンズが入らない太腿だった。

「太い」という見かけ上の欠点を超えて自分の足の持つゆがみをチェックした結果、それは内腿が内旋し、膝下が外旋している典型的な「XO脚」であることを確認した。

整体院fREEさんのサイトより拝借しました。http://www.11-style.com/check_point/xo-leg/

整体院fREEさんのサイトより拝借しました。http://www.11-style.com/check_point/xo-leg/

XO脚は生まれつきではない。内旋している腿を無理に外旋させようとした結果、膝から下がねじれたのだ。無理に外旋させようとしたのは、「内股な自分」がイヤだったからだ。

まず、内腿の内旋という事実をありのままに認め、膝下から無理に外旋させようとしている癖を直し、「単なる内股(=腿が内旋、でも膝から下はまっすぐ)」になるよう努めた。具体的には、どんな動作をする時にも、膝の向く方向性と足の中指が向く方向性を一致させるよう心がけた。

大腰筋が意識できないのに対し、少なくとも膝と足先の方向性を一致させることは意識によってコントロールできる。まず、歩く時はいつも、「膝と足先」を意識するようにした。

次に内股の腿を開きたいと思ったのだが、これがなかなか難しい。

こういう真向法の運動が股関節を開くのには一番良いとは知っているのだが。。。

真向法の運動が股関節を開くのには一番良いとは知っているのだが。。。

とにかく、開脚するとハムストリングと内股の筋肉が伸びない、どれだけ背中を伸ばそうとしても、骨盤が前屈しない。どれだけギューギュー押してもロックしてしまう。

足首の柔軟性も私には困難な課題だった。

理想の姿勢はこれなのですが。。。いわゆる○○座り。ちなみに英語ではAsian Squatと言います。

理想の姿勢はこれなのですが。。。いわゆる○○座り。ちなみに英語ではAsian Squatと言います。出来る人は、出来ない人がいることを知って驚きます。

私がやるとこうなってしまう↓

小さい時から椅子に慣れた生活をしている人はこうなってしまうみたい

小さい時から椅子に慣れた生活をしている人はこうなってしまうみたい

そんなとき、読んだ高岡英夫さんの身体理論やゆる体操 の本。骨盤を前傾させて股関節の自由な動きを獲得することを説く中村孝宏さんの本は大変、興味深く、セミナーに出た。そして夏からロルフィングというアメリカの整体を始めた。フリーワードでネットを検索しながら、「身体が変わる視点」、「まといのば」のような極めて有用な身体の動かし方のヒントを呉れるブログにも出会った。

これらの情報を通じて学んだ最大のことは「まず脱力から始める」ということ。筋肉に力を入れないこと、息を詰めないこと、努力しすぎないこと。そこから全てが始まるのだ。

私の最大の問題点は股関節や足首の硬さや太ももの太さではなかった。それは「脱力できないことの結果」であって、より深い原因は、「意識によって身体を固めている」ということだったのだった。

具体的に固めることで全ての問題の元凶となっているのが腰だ。

なぜ、腰を脱力できなかったのか?

息を詰めて、細かい作業をする。夢中で目で文字情報を追い続ける。そうした動作が習い性となった結果、首や胸が詰まり、肩が内旋し、腰が固まった。。。というのが私の仮説だ。

より深いところでは、「努力=息を詰めて頑張ることが正しいこと」という子供時代からの思い込みと、「脱力することへの罪悪感」があったのかもしれない。

腰が固まったことで、足首も固まった。足首と腰が固まったままで、無理に運動して下半身を動かそうとした結果、足の筋肉ばかりが発達して太くなった。

腰を緩めることで、内旋して緊張した太ももはダランと弛緩し、骨は垂直に地面に突き刺さるようにまっすぐ立てるようになる。そして腰が緩めば、骨盤から背骨を丸めることで重心を前に移動させ、足首と脚は徹底的にリラックスして屈曲することで楽にしゃがめるようになる。そして腿の内旋が改善されることで、股関節の動きを意識できるようになる。上半身がリラックスすることで股関節と肩の連動性も感じられるようになる。

こんなに簡単なことだったとは。。。

これまでの人生で、誰も私に「脱力した方がいい」とは言ってくれなかった。自分自身、人並み以上に身体を動かしてきた自分が脱力できていないとは思っていなかった。

それからは、徹底的に脱力。無理せず、ひたすら脱力。脱力して地球の重力を利用することばかりを考えるように。

これまでどれだけ努力しても出来なかった○○座りが、多少、脚を開いた状態ならぴったり踵を地面に付けたまま出来るようになったときには感動した。

そして腰を緩める感覚を少しずつ獲得するごとに、ようやく、おぼろげながら大腰筋を意識出来るようになったのだ!

大腰筋は、脱力し、大きな動きではなく、小さな動きをしたときに、その動きが意識できるようになる。具体的にはこんなゆる〜いポーズが良い。ただし腰以外の部分は徹底的に力を抜くことが必要だ。

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大腰筋が意識できるようになると、歩き方が変わってくる。変わってくると、歩くことが楽しくなってくる。大仰なエキササイズをしないでも体型も体調も良くなってくる。

物事を理屈で理解することと、身体で理解することはまるで違うというのが今回の体験で得た暫定的結論。

「お腹ぽこりを直すには大腰筋の活性化が必要」という情報は簡単に得ることが出来た。だが、さんざん遠回りして、試行錯誤の末「大腰筋を動かす」ということを身体でおぼろげながら理解するのには半年かかった。

そう考えると、字面の情報を取り込むだけで分かったつもりになっていて、実は理解できていないことがあまりに多いことに思い至る。

真の変化につながる理解とは、身体を通じた理解であり、頭で理解することではない。そのことを改めて認識することで、世界は今までと少し違って見えるようになるし、毎日の行動も少しずつ変わってくる。

 

 

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