あまりにも便利

公共施設でWifiにつながらない。国内旅行は高いし、英語が通じない。乳製品や果物の値段がやたら高い。学校教育は画一的。ワンルームマンションとサラ金の広告、電柱だらけの街の景観は醜い。老人がやたら多くて子どもが少ない。それが私たちの国。

でも良いことは、コンビニがあること、クロネコがいること。

クロネコ

いつのまにか、日本のライフラインはコンビニと宅配便になっている。

どの街でもコンビニとクロネコを見ないことはない。交番のオマワリさんや郵便配達のオジサン、隣に住む人の顔は知らないのに、毎日、宅配に走り回っているヤマトと佐川のお兄さんは顔なじみだ。もしかしたら、地元では家族の次に親しいのは、ヤマトと佐川のお兄さんかもしれない事実に気が付いてはっとする。さまざまな人の家を訪問し、直接コミュニケーションを取ることで、地元コミュニティの実態を一番、把握しているのは彼らだろう。

ヤマトと佐川は雨の日も風の日も、台車を押して同じ地域をぐるぐる走り回り続け、一日に数回の頻度で常温、冷温の荷物を届け続ける。不在であれば、何度でも届け続ける。誰かが荷物を出したいと連絡すれば10分以内に集荷に訪れる。土曜日も、日曜日も、祝日も、正月もなく。ヤマトも佐川も、誤配はおろか、指定時間に遅れることすら殆どない。昔、チッキを国鉄の駅まで出しに行った時代を覚えている世代からすれば、驚きの進歩だ。

ネットの買い物が一般化してから、宅配便のお兄さんたちはますます多忙になった。特に低額商品でも送料無料の商品が多いアマゾンでは、仕事や家事の合間に気軽にクリックして買い物できるようになったから、昔はなかったような小口の配送物が別々のロットで配送されるようになった。相応しい対価を伴わないアマゾンの「翌日配送」のサービスはさすがに宅配便業者にとってあまりに過酷だったようで、ついに佐川急便が取引を停止したという。消費者にとっての便利は、製造業者やサービス提供者にとっては過酷な労働環境につながることが多い。小売店は日曜日には閉店し、深夜営業はせず、きめ細かい宅配サービスも存在しないフランスのような国の消費者は日本の消費者と比べると圧倒的な不便を蒙っている。だが、その反面、小売業者やサービス業者に従事する人々は、夕飯は家族で食べ、日曜日は教会に行くというように、日本の同業者と比べると「まっとう」生活を送っている。ヤマト運輸や佐川急便が素晴らしい会社であり、そうした民間サービスが存在する日本は良い国ではあるものの、さすがにそのサービスはやり過ぎと思うこともある。正直行って、ネットで買って「翌日配送」が本当に必要な商品なんて殆どない。アマゾンで買う商品なんて、1ヵ月に一回、おまとめ配送で十分なのだ。むしろ、ダンボールの梱包をいちいち解いて捨てる手間や、配送や梱包に掛かる石油エネルギーを考えれば、高頻度配送なんて必要ない。シンガポールなど、日本よりずっと狭く、人口密度が高く、ネットも発達しているから宅配便が普及しても良いはずの国なのにヤマト運輸や佐川急便のような宅配サービスは存在しない。全体として生産者優位の国である日本で、なぜかこの分野だけは突出した消費者優位になっている不思議。。。。クリスマスが一年、お世話になった人に感謝を捧げる時期だとしたら、便利で安全な生活を送らせてもらっている私が一番に感謝するべきは勤勉で真面目な佐川とヤマトのお兄さんたちだろう。

 

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